20歳の新たな門出 他【新千葉新聞】
- 2024/1/10
- ニュース
新千葉新聞2024年1月10日発行
20歳の新たな門出
かずさアカデミアホールで華やぐ式典
木更津市は3回に分け 未来にはばたけと
令和6年(2024年)成人の日(1月8日)を前に7日(日)各地で式典が開かれた。
成人年齢が2022年(令和4年)4月からそれまでの20歳から18歳に引き下げられ2年目。
総務省によると、今年1月1日現在で全国的には新成人数(18歳)は106万人(男55万人、女52万人)と、前年から約6万人減少し、過去最少を更新した。
1億2,413万人の総人口に占める割合は0.86%。
また、千葉県内の新成人(18歳)は、5万4,553人で、前年より1,685人減った。
県内20歳は6万751人で、5年連統の減少。
今年の祝う会は、6~8日、2003年(平成15年)4月2日~2004年(平成16年)4月1日生まれの20歳を対象に行われ、成人としての新たな門出を祝った。
穏やかな晴天に恵まれた7日(日)、君津地域4市の「20歳(はたち)を祝う会」が開かれ、首長等から《20歳の門出》の祝福を受けると共に、大人としてのスタートで自覚を新たにした。
式典の運営方法は、20歳を祝う会実行委員会方式(実行委員数28人)。
今年の成人式会場は、華やかな振袖や桍、真新しいスーツなど晴れ着姿の新成人の輸で埋め尽くされ、会場のあちこちで「久しぶり!」と再会を喜び合う声が飛び交った。
木更津市は、15中学校区を午前~午後の三組に分けて、かずさアカデミアホールで実施した。
対象者は1,288人(男性700人、女性588人)で、前年比49人減。
このうち、午前10時からの第1組(木一、木三、清川、岩根、岩根西、中郷中学校区域)には、保護者含む323人(対象者473人)、午後零時20分からの第2組(金田、波岡、畑沢中学校区域及び志学館中等部、暁星国際中学校卒業生)には、同398人(同354人)、午後2時40分からの第3組(木二、太田、鎌足、富来田中学校区域)には同318人(同461人)の、計1,039人が出席した。
式典は、実行委員から、第1組は林愛結さん(岩根中卒)と駒叶希さん(岩根中卒)、第2組は塚島楓香さん(波岡中卒)、第三組は青木風大(木二中卒)さんと安西柚莉亜さん(鎌足中卒)の司会で進行した。
開式の言葉後、渡辺芳邦市長が、1日に起きた地震災害や航空機衝突の痛ましい事故について触れ、犠牲者に哀悼の意とお見舞いを申し上げるとした上で、-皆さんも小学2年生の時に東日本大震災、16歳の時に房総台風、17歳で新型コロナがまん延し暗い影を落としたが、高卒から2年、振り返ると、今日1日のことが当たり前ではないことを痛感し、何げない1日が重要だと考える。いろんなことを乗り越えて今日は共に中学時代を過ごした仲間が集い、住み慣れた木更津で久しぶりの再会を楽しんでいると思う。有意義な1日にしていただきたい-と話し、「自分の可能性を信じて、様々なことに挑戦してほしい。まだまだたくさんの可能性がある。漠然と生きるのではなく、自分の能力を発抑して、夢に向かって行動をおこしてほしい。皆さんの頑張りに期待する」と激励し、大人としての第一歩を踏み出したこの日を節目に、自己確立と自覚を持った立派な社会人となるようエールを送った。
今年は市長の他、田中幸子副市長、廣部昌弘教育長、秋元淳教育部長が出席した。
続いて、動画メッセージで、浜田靖一衆議院議員や鶴岡大治市議会議長、木更津PR大使の中尾彬氏が祝辞を述べ、人生の大きな節目に感謝を忘れず、一人の責任ある人間として社会に貢献できる人に、郷土愛と人間愛にあふれた市民として活躍してほしいと激励した。
それを受け、第1組の鳥飼貴大実行委員長(木一中卒)や第2組の高浦暖仕実行委員長(金田中卒)、第三組の安藤幸太実行委院長(木二中卒)が、それぞれ見守ってきてくれた両親や地域の人達等に感謝の気持を込めて、「責任ある行動、思いやりのある心で、一人の社会人として希望と情熱、自信と誇りを持って社会に貢献していきたい」と、新成人誓いの言葉を述べた。
また式典第2部は、実行委員会によるアトラクションとして、思い出のスライドショーやビデオレターなどを使い、修学旅行や部活動、卒業式などの様子が映し出されると、各学校ごとに歓声が上がった。
若者が厳寒の海に竹を
国の記録作成でキヤノンが映像制作
木更津市中島海岸 勇壮に「梵天立て」
木更津市中島の「中島区文化財保存会」(会長・篠田芳夫)による『令和六年梵天(ぼんでん)立て』が、7日(日)午前7時から、O度近い寒さのなか、中島海岸(中島4421、金田漁業協同組合事務所の裏の海)で行われた。
梵天立ては、江戸時代から中島区に伝わる正月七草の伝統行事で、平成4年に国の記録選択無形民俗文化財に指定されており300年以上の伝統を胯る。
今回は令和5年度「変容の危機にある無形の民俗文化財の記録作成事業」として文化庁から委託されたキャノンマーケティングジャパン(株)が映像制作を行った。
梵天立ては同地区(6地区)のさらし木綿の下帯姿の樔の若者たちが、それぞれ5メートル前後の新しい真竹の先に御幣をつけた『梵天』を、厳寒の海に立て、漁業大漁・五穀豊穣・天下泰平・船中安全・家内安全等を祈るもの。
この梵天立ての民俗行事は、出羽三山信仰の象徴。
元禄年間に幕府の御用船から錨(いかり)がなくなり、盗みの疑いをかけられた地元の漁民が出羽三山の行者に祈願を頼むと錨が見つかったという伝説にちなむ。
今回の梵天立てでは中島地区の6町内で、浜戸(はもと、赤色)3人、新町(しんちょう、黄色)2人、鯨地区(青色)3人、中宿(桃色)2人、下宿(えんじ色)2人、東(ひがし、緑色)4人の16人が、2~4人位で一組になり、掛け声も勇ましく厳寒の海に入り、順を追って梵天を沖合いへと立てていった。
地区別はたすきの色で見分けられた。
海岸では、信仰者である行人(ぎょうにん)たち19人が般若心経を唱え、ほら貝を吹き、浜大漁・五穀豊穣等を祈願した(写真下)。
鯨地区で行人を務めた武内貴靖さん(64)は、40歳代で先輩に出羽三山への同行を勧められ、2泊3日の般若心経を唱える体験を済ませている。
一昨年に行人の仲間入りをしているが、今年は寒風と砂ぼこりで大変な中、無事終えることが出来、安堵の表情を見せていた。
また会場では、区長による甘酒の接待も行われた。