大人として自覚新たに 他【新千葉新聞】
- 2025/1/15
- ニュース
新千葉新聞2025年1月15日発行
大人として自覚新たに
かずさアカデミアホールで華やぐ式典
木更津市は3回に分け 盛大に二十歳を祝う会
令和7年(2025年)成人の日(1月13日)を前に12日(日)各地で式典が開かれた。
成人年齢が2022年(令和4年)4月からそれまでの20歳から18歳に引き下げられ3年目。
総務省によると、今年1月1日現在で全国的には新成人数(18歳)は109万人(男56万人、女53万人)と、前年から約3万人増加した。
1億2,374万人の総人口(2024年7月現在)に占める割合は0.88%。
また千葉県内の新成人(18歳)は、54,760人で、前年より1,647人増加した。
県内20歳は61,137人で、前年比146人増、2019年以来6年ぶりの増加となった。
今年の祝う会は2004年(平成16年)4月2日~2005年(平成17年)4月1日生れの20歳を対象に行われ、成人としての新たな門出を祝った。
穏やかな日和に恵まれた12日(日)、君津地域4市の「二十歳(はたち)を祝う会」が開かれ、首長等から《二十歳の門出》の祝福を受けると共に、大人としてのスタートで自覚を新たにした。
式典の運営方法は、二十歳を祝う会実行委以会方式。
今年の成人式会場は、華やかな振袖や桍、真新しいスーツなど晴れ着姿の新成人の輪で埋め尽くされ、会場のあちこちで「久しぶり!」と旧友と再会を喜び合う声が飛び交った。
木更津市は、14中学校区を午前~午後の3組に分けて、かずさアカデミアホールで実施した。
対象者(20歳)は1,277人(男性627人、女性650人、令和6年12月1日現在)で、前年比11人減。
このうち、午前10時からの第1組(木一、岩根、清川、木三、岩根西中学校区域)には、339人(対象者500人)、午後零時20分からの第2組(金田、波岡、畑沢中学校区域及び志学郎中等部、暁星国際中学校卒業生)には、同256人(同294人)、午後2時40分からの第3組(木二、富来田、鎌足、太田中学校区域)には同343人(同483人)の、計938人(73.4%)が出席した。(保護者計250人)
式典は、実行委員から、第1組は城ノ上菜乃さんと江野澤由愛さん(共に岩根西中卒)、第2組は楯岡佑斗さんと名取優輝さん(共に志学館中等部卒)、第3組は菊池桃子さん(木二中卒)と國見澪矢さん(鎌足中卒)の司会で進行した。
第1組の式典では、開式の言葉後、渡辺芳邦市長(60)が、有意義で楽しめる二十歳を祝う会にしたいと、昨年7月から各実行委員会が準備してきたことに感謝の言葉を述べ、住み慣れた故郷木更津で旧友と久しぶりに再会し、今日は人生の節目を仲間と共に有意義な1日にしてほしいと願った。またこの20年間を振り返り、~アウトレットパーク進出で金田は見違える街となり、市内の富士見通りもアーケード撤去で明るく、歩道整備でくつろげる場所となる鳥居崎公園も新レストランや海を感じる賑わいの場所となっている。3年後には吾妻公園が文化芸術施設整備事業で変わろうとしている。木更津は江戸時代から人や物が行き交う交通の要所であったが、木更津の人は穏やかで寛容である。皆さんには様々な文化を受け入れて知識や教養を深め、更なる成長と「謙虚」であることを求めたい。大谷翔平選手も謙虚な姿勢を貫いていることは多くの人に承知されている。皆さんに望みたい2つ目は、自分を信じてたくさんの「チャレンジ」をしてほしいこと。挑戦することを忘れずにこれからも進んでほしい~と新成人にエールを送った。
そして市長として木更津がいつまでも成長できるよちづくりを行っていく。皆さんも親、先生、周りの人達に感謝を忘れないようにしてほしいと述べ、大人としでの第一歩を踏み出したこの日を節目に、自己確立と自覚を持った政派な社会人となるよう願った。
今年は市長の他、田中幸子副市長、廣部昌弘教育長、小高幸男教育部長が出席した。
続いて、動画メッセージで、浜川靖一衆議院議員や鶴岡大治市議会議長が祝辞を述べ、人生の大きな節目に感謝を忘れず、一人の責任ある人間として社会に責献できる人に、また、誇りと自信を持ち、故郷木更津の発展に貢献してもらえる郷土愛と人間愛にあふれた市民として活躍してほしいと激励した。
それを受け、第一組の中下輝龍実行委員長(木一中卒)や、第二組の木曽凪葉実行委員長艮(波岡中卒)、第三組の鈴木孔大郎実行委員長(木二中卒)が、それぞれ、見守ってきてくれた両親や地域の人達等に感謝の気持を込めて新成人を代表して誓いの言葉を述べた。
中下実行委員長は「多くの激励を受けて二十歳の責任の重大さを感じている。中学校の卒業式はコロナ禍で自粛の中で行われたが、困難に立ち向かって挑戦を続けてきた。お互いに助け合う仲間と新しい時代をつくっていきたい。経験や工夫を重ね、前を向いて進んでいきたい」と抱負を述べた。
また式典2部は、アトラクションとして、思い出のスライドショーやビデオレターなどを使い修学旅行や部活動、卒業式等の様子が映し出されると、各学校ごとに歓声が上がった。
若者が厳寒の海に竹を
江戸時代から伝わる伝統行事に15人
木更津市中島海岸 勇壮に「梵天立て」
木更津市中島の「中島区文化財保存会」=会長・篠田芳夫(79)=による『令和7年梵天(ぼんでん)立て』が、11日(土)午前7時から、気温8度の寒さのなか、中島海岸(中鳥4421、金田漁業協同組合事務所の裏の海)で行われた。
梵天立ては、江戸時代から中島区に伝わる正月七草の伝統行事で、平成4年に国の記録選択無形民俗文化財に指定されており300年以上の伝統を誇る。
前回は令和5年度「変容の危機にある無形の民俗文化財の記録作成事業」として文化庁から委託されたキャノンマーケティングジャパン(株)が映像制作を行った。
梵天立ては同地区(6地区)のさらし木綿の下帯姿の裸の若者たちが、それぞれ5メートル前後の新しい真竹の先に御幣をつけた『梵天』を、厳寒の海に立て、漁業大漁・五穀豊穣・天下泰平・船中安全・家内安全等を祈るもの。
一種の成人儀礼に関わるものと注目される。
この梵天立ての民俗行事は、出羽三山信仰の象徴。
元禄年間に幕府の御用船から錨(いかり)がなくなり、盗みの疑いをかけられた地元の漁民が出羽三山の行者に祈願を頼むと錨が兄つかったという伝説にちなむ。
今回の梵天立てでは中島地区の6町内で、浜戸(はもと、赤色)1人、新町(しんちょう、黄色)2人、下宿(えんじ色)3人、中宿(桃色)2人、鯨地区(青色)3人、東(ひがし、緑色)3人の15人が、2~4人位で1組になり、掛け声も勇ましく厳寒の海に入り、順を追って梵天を沖合いへと立てていった。
地区別はタスキの色で見分けられた。
海岸では、信仰者である行人(ぎょうにん)たち14人が般若心経を唱え、ほら貝を吹き、浜大漁・五殼豊穣等を祈願した。
また会場では、区長による甘酒の接待も行われた。